2011年5月23日月曜日

継続的サービス改善(Continual Service Improvement)

継続的サービス改善(Continual Service Improvement)

デミング・サイクル(Deming Cycle):PDCAサイクル。計画(Plan)実施(Do)点検(Check)処理( Action)を持つ品質改善の段階
継続的サービス改善モデル(Continual Service Improvement Model)
ビジョンは何か? What is the vision?
現状はどれにいるか? Where are we now?
どこを目指すのか? Where do we want to be?
どのように目標を達成するか? How do we get there?
目標の達成をどのように確認するか? Did we get there?
どのようにして推進力を維持するか? How do we keep the momentum going?



ベースライン(Base Line):改善活動の基準点
測定する理由(Reason for Measurement):妥当性確認、方向付け、正当化、介入
技術測定基準(Technical Metric):アプリケーション等のパフォーマンスモニター
プロセス測定基準(Process Metric):プロセスの有効性、効率性を計る基準
サービス測定基準(Service Metric):エンドツーエンドのサービス結果


ガバナンス(Governance):方針と戦略が実際に実行される事。組織が自らを健全に統治する事
コーポレートガバナンス(Corporate Governance):企業に公正性、透明性を求め、説明責任を負わせる事を推進するもの
ITガバナンス(IT Governance):サービス・ライフサイクル全体にわたって機能し、適切な方針、手順、プロセス、測定を整備し、これらが確実に実施、遵守されるようにすること

サービスオペレーション(Service Operation)

サービスオペレーション(Service Operation):実際の運用

下記の5つのプロセスが試験対象。
  1. イベント管理
  2. インシデント管理
  3. 問題管理
  4. 要求実現
  5. アクセス管理
イベント管理(Event Management):重要性のある状態変更。障害等
情報(Notification):対処を必要としないイベント。ログ
警告(Alert):しきい値超過等、放置すると例外に繋がるイベント
例外(Exception):サービスが正常に運用出来ていない通知。サーバーダウン等

インシデント管理(Incident Management):ITサービスに対する計画外の中断、品質の低下の管理。

インシデント・モデル(Incident Model):特定のインシデントを処理する手順を事前に定義する事
インパクト(Impact):インシデント、問題、変更によるビジネスへの影響の指標
緊急度(Urgency):インシデント、問題、変更がビジネスに影響を与えるまでの時間の指標
優先度(Priority):インパクト+緊急度
エスカレーション(Escalation):機能的エスカレーション、階層的エスカーレション。インシデントをタイムリーに解決出来ない時に専門組織に相談する、ITマネージャに判断を仰ぐ

要求実現(Request Fulfillment):インシデント以外に顧客、ユーザーの要求を処理する事
サービス要求(Service Request):情報、助言、ITサービスへのアクセスに対するユーザからの要求。サービスデスクで処理
要求モデル(Request Model):サービス要求を処理する事前に定義した処理の方法
セルフヘルプ(Self Help):インシデント登録、FAQなどユーザがサービスデスクを利用出来る仕組み

問題管理(Problem Management):サービスデスクで解決出来なかった問題、インシデント管理からエスカレーションされてきたインシデントに対し、新規の問題なのか既知のエラーなのかといった判別を行う

問題(Problem):一つまたは複数のインシデントを引き起こす未知の原因
問題モデル(Problem Model):特定の種類の再発する問題の対応手順を合意の上事前に定義する事
ワークアラウンド(Work Around):完全な解決策が存在しないインシデントに対し、問題のインパクトを軽減、排除すること
例:ファイルサーバーの処理速度が遅い。根本的な原因は不明だが、ワークアラウンドとして、リブートを実施既知のエラー(Known Error):診断が成功し、根本原因、ワークアラウンドが識別、文書かされた問題
既知のエラーデータベース(KEDB:Known Error Database):すべての既知のエラーレコードのデータベース
リアクティブ問題管理(Reactive Problem Management):インシデントが発生してから、根本的な原因を解決し、再発を防止する活動。サービス・オペレーションで実施
プロアクティブ問題管理(Proactive Problem Management):インシデントが発生する前に将来、発生可能性のある問題を予防する事。「継続的サービス改善」の一部で実施

アクセス管理(Access Management);ユーザにサービスを使用出来る権利を与えるプロセス
例:共有フォルダのアクセス権追加、アプリケーションのアカウント作成
アクセス(Access):ユーザが利用する資格を持つ、サービスの機能や、データのレベル、範囲
ID(ID):ユーザ個人として識別する情報
権限(Access Rights):サービスへのアクセスをユーザに提供する実際の設定
サービス群:複数のサービスをグループ化したもの
ディレクトリ・サービス(Directory Service):アクセスや権限を管理する為のツール

サービスデスク(Service Desk):インシデント、イベントの処理に責任を持つスタッフ。一般的にヘルプデスクと呼ばれる
単一窓口(SPOC:Single Point Of Contact):事業部門から見たITサービス・プロバイダへの単一の連絡手段。全ての問題の申告を受付、各部門にエスカレーションする
IT組織全体の調整:ユーザの利益になるようにITサービスプロバイダの活動を調整する事

ローカル・サービスデスク(Local Service Desk):ユーザーの拠点内のサービスデスク
中央サービス・デスク(Centralized Service Desk);複数拠点の窓口を集約したヘルプデスク
バーチャル・サービスデスク(Virtualized Service Desk):実際には複数の場所にあっても、ひとつの場所で対応しているように見えるサービスデスク。フォロー・ザ・サン(Follow the Sun):の用に世界中で複数ヘルプデスクを設置し、中国で8時間、東欧で8時間、メキシコで8時間、のように24時間サービスにすることもある

インシデントのオーナーシップ(Incident Ownership):インシデントを受け付けたサービスデスクがクローズまでフォローする事
進捗情報の提供:調査に時間がかかるインシデントに対し、ユーザに途中報告をすること

技術管理(Technical Management):ITインフラの設計、保守、障害発生時のサポート
アプリケーション管理(Application Management):アプリケーションのライフサイクルを通じて管理とサポートを担当する組織。設計、機能の可用性の保証、保守、障害発生時のサポート
IT運用管理(IT Operation Management):事業部門で合意されたレベルでITサービスを確実に提供する為に、組織のITインフラの継続的管理と保守に責任を持つ組織

2011年5月22日日曜日

サービストランジション(Service Transition)

サービストランジション(Service Transition):設計済みのITサービスを確実に導入すること

サービス・ライフサイクルの全てのフェーズで実行されるプロセス


変更管理(Change Management):
サービス資産管理および構成管理(Service Asset and Configuration Management)
ナレッジ管理(Knowledge Management)



サービストランジション内だけで実行されるプロセス:

リリース管理および展開管理(Release and Deployment Management)
移行の計画立案およびサポート(Transition Planning and Support
評価(Evaluation)
サービスの妥当性確認およびテスト(Service Validation and Testing)


変更管理(Change Management):許可、計画、サポートされているサービス、サービスの構成要素及び関連文書を追加、修正、削除する事



変更要求(RFC:Request For Change):何らかの変更を行うように管理者や作業者に要求すること
修正計画(Roll Back Plan):変更またはリリースが失敗した時に元の状態に戻す計画
将来的な変更スケジュール(FCS:Forward Schedule of Change):あらかじめ合意された期間の実装や許可されている変更とそれらに関するリソースの詳細が記載されたスケジュール。


7つのR
1. Raised:その変更を「提起」したのは誰か
2. Reason:その変更の「理由」は何か
3. Return:変更よって得られる「見返り」は何か
4. Risk:変更に伴う「リスク」は何か
5. Resource:変更に必要な「リソース」は何か
6. Responsible:変更の「責任者」は誰か
7. Relationship:その変更はほかのどんなものと「関係」しているか



変更要求の種類(Type of Change Request):


通常変更(Standard Change):ドキュメントなどにより標準な変更手順が整っており、変更に伴うインパクトが少ない変更。サービスデスクなどに事前に権限を付与し、毎回の承認は行わない
緊急変更(Emergency Change):ビジネスに影響を与えるITサービス障害への対応。変更マネージャが毎回承認を行う。ECABが助言する
標準変更 (Normal Change):新システムの開発、既存システムの拡張・改善一般的なシステムの変更。変更マネジャーが毎回承認を行う。CABが助言する



変更プロセスモデル(Change Process Model):変更に対処するステップを事前に記したドキュメント
変更マネージャ(Change Manager):RFCについて、変更を管理する人
変更諮問委員会CAB (Change Advisory Board): 変更要求をさまざまな観点から検討し、変更の可否を評価するために組織される委員会のこと
緊急変更諮問委員会CAB (Emergency Change Advisory Board):緊急変更の為のCAB。


リリース(Release):承認された変更を実施するのに必要なハードウェア、ソフトウェア、文書等の構成アイテム
リリース方針(Release Policy):リリースの組織の方針。
リリース・ユニット(Release Unit):同時にリリースされるサービス。
リリース・パッケージ(Release Package):同時にリリースする為にパッケージ化されたリリースユニット全体。
リリースの展開方法:ビッグバン(変更を一斉に展開する事)、段階的、プッシュ(中央から配信する)、プル(ユーザの都合の良い時に展開(インストール))、自動、手動


サービス資産管理および構成管理(Service Asset and Configuration Management):サービス及びITILのコンポーネントの構成情報を維持し、他のプロセスの活動を支援すること


構成アイテム(CI:Configuration Item);ITサービルの展開の為に管理する必要のあるコンポーネント
確定版メディアライブラリ(DML:Definitive Media Library):管理されているソフトウェア、文書のマスターコピーの保存先
構成モデル(Configuration Model);CIのモデル
構成ベースライン(Configuration Base Line):正式に合意済の変更管理システムのベース
構成管理データベース:(CMDB:Configuration Management Database);構成アイテムのデータベース
構成管理システム:(CMS:Configuration Management System):データ管理のツール、変更内容、承認等


ナレッジ管理(Knowledge Management);


データー情報ー知識ー知恵(DIKW:Data to Information to Knowledge to Wisdom):データー情報ー知識ー知恵の関連の理解
サービス・ナレッジ管理システム(SKMS:Service Knowledge Management System);上記の管理のデータベース





2011年5月17日火曜日

サービスデザイン(Service Design)

サービスデザイン

サービス・カタログ管理
サービスレベル管理
→キャパシティ管理、可用性管理、ITサービス継続性管理、情報セキュリティ管理、サプライヤ管理

4つのP:People, Products, Partner, Process。これらをバランスよく配置し運用することが必要
サービスデザインの5つの側面;サービス・ソリューションの設計、支援的な仕組みの設計、技術アーキテクチャの設計、プロセスの設計、測定方法と測定基準の設計

サービスデザイン・パッケージ(Service Design Package):ITサービスの要件をすべて定義するドキュメント

サービスの自動化(Service Automation):プロセスを自動化する事
サービス自動化の指針(Guidance for Service Automation):

  1.  自動化する前に簡略化
  2.  活動の流れ、タスクの割当、情報の必要性、やりとりを明確にする
  3.  ユーザにシステムと技術の複雑を感じさせない
  4.  複雑で標準的でないタスクは自動化しない

サービスストラテジ(Service Strategy)

サービスストラテジは3つのプロセスにわかれます。

  1. 財務管理プロセス(Financial Management Process):資金の確保
  2. 需要管理プロセス(Demand Management Process):ユーザーが何を望んでいるかを把握する事
  3. サービス・ポートフォリオ管理プロセス(Service Portfolio Management Process):ユーザ提供する価値をポートフォリオとして明確にする
サービスストラテジの概念:

有用性(Utility):顧客のニーズを提供出来ているか
保証(Warranty):顧客の為の十分なキャパシティ、パフォーマンスが提供出来ているか
リソース(Resource):サービス提供の為のリソース。人材(人の数)、インフラ等
能力(Capability):(能力のある)人材、ノレッジベース等無形の資産
サービス資産(Service Asset):ITプロバイダが所有するリソースと能力
サービス・ポートフォリオ(Service Portfolio ):サービスプロバイダにより管理されている全てのITサービス
サービス・パイプライン(Service Pipeline):検討中、開発中のすべてのITサービスのリスト
サービス・カタログ(Service Catalog);顧客に既に提供されているサービスと承認済みのものをまとめたリスト
廃止されるサービス(Retired Service?):稼働環境からITサービスを取り除く事?

サービス・ライフサイクル(Service Life Cycle)

サービス・ライフサイクルは5つのフェーズに分かれます。



  1. サービスストラテジ(Service Strategy):戦略
  2. サービスデザイン(Service Design):プロセスの設計、開発
  3. サービストランジション(Service Transition):運用へ移行
  4. サービスオペレーション(Service Operation):運用
継続的サービス改善(Continual Service Improvement):上記の全てのプロセスに適用

2011年5月16日月曜日

ITIL基礎用語

基礎用語をまとめてみました。日本語がわかりにくい用語が多いので、英語の対応する言葉も示します。

顧客(Customer):ITサービスに対して費用を払う人
ユーザ(User):ITサービスを利用する人
インシデント(Incident):ITサービスを中断させる障害
問題(Problem):未知の障害
エラー(Error):既知の障害(原因、対策がわかっているもの)

サービス(Service):ITサービス
サービスマネジメント(Service Management):機能とプロセスによるITサービスの管理

機能(Function):組織。サービスデスク等。
プロセス(Process):目標達成の為の手順

プロセス・モデル(Process Model):プロセスの仕組み

閉ループ・システム(Closed-loop System):出力結果により処理内容、入力内容を変えるシステム


プロセスの特性(Process Attribute):測定可能、結果を伴う、利害関係者への結果の提供、特定のイベントへの対応


役割(Role):個人やチームの役割。個人またはチームが複数の役割を持てる


RACIモデル(RACI Model):役割と責任を定義するためのモデル


R:Responsible(実行責任:1人or複数)
A:Accountable(説明責任:1人) 
C:Consulted(協議先:複数) 
 I :Informed(報告先:複数)


プロセス・オーナ(Process Owner):プロセス手順、成果に対する責任者 - Accountable
サービス・オーナ(Service Owner):担当するサービスの責任者。IT役員に対する説明責任
プロセス・マネージャ(Process Manager):プロセスの運用の責任者 - Responsible


サービスレベル・マネージャー(Service Level Manager):顧客に対する説明責任

ITILを受ける事にしました。

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